夏の日に来たのラ。。。

ちょうど去年の夏…蒸し暑くなってきたころ…
毛むくじゃらのお客様がやってきた…








お客様とは、そう、猫だ…
そいつは何処からともなく
三階のベランダに突然やってきたのだ…




何十年も住んでいて初めてのことだった…
どうやってきたのか驚きはしたが
時間が経てばまたどこかに行くだろうと思い・・・
そっとしていた…



そもそも猫が嫌いだ…




しばらくして雨が降ってきた…


するとそいつは鉢植えの下に腰を下ろし
のしっとそこで雨宿りして過ごした…






きづけば数日が経った…
しかしそいつはまだそこにいた…




よく見るとやせ細っている。。。
野良ネコだ、きっとご飯もろくに
食べてないのだろう…



可哀想だと思ったら
餌をあげたい願望に駆られだした…




しかし餌付けをしてしまったら
ここから離れなくなるのではないか…?




腹をすかしてここで死なれても困る…




祖母に相談してみた…



何もしないほうがいい…
そう賢明な答がでた…



ある晩、彼はとても鳴いていた…



一度だけ、やってはいけないと思ってはいたが
彼にミルクとビスケットを粉々にして差し出した…



彼はミルクをすぐに飲みほし
ビスケットをむさぼるように食べた…






その時だ…

今思えばこのとき何年も他人を遠ざけ凍っていた
自分の心が少し溶け始めたのかもしれない…



誰かに必要にされることでこんな自分でも
誰かの助けになれるのかもしれない…





そう思ったらこの野良がいとおしく…





嫌いだったネコが
ちょっと好きになっていた…







それからノラに
ミルクをあげるようになっていた…
もちろん、祖母には内緒で…






最初はミルクをあげようとしていたら
逃げていたノラだったが、今では怖がらなくなっていた…






ある日、父親がカツオの燻製を買ってきたので
それをあげようと思った・・



植木鉢の下の定位置をみた
だがそこに野良の姿がなかった・・




一日が経った…

野良はその日、現れなかった…


数日が経っても野良はやってこなかった…



あぁ空腹でどこかに倒れているんじゃないか・・・?
それともほかの野良たちにいじめられたのではないだろうか??
どうしたんだろう・・・

人ってのは存外簡単なもんなんだなぁ…
あんなに嫌いだった野良ネコを今では
心配している自分がいる…不思議なもんだ…


変わろうと思えばもう変わってる…
変われるんだ!!!









それから野良は姿を見せることは無かった…








……








しばらくしてから近所にあるコンビニの近くで
お姉さんから餌をもらってるネコがいた…






そう、あの野良ネコだった…w













やっぱり









猫は嫌いだ…www





いまさらそんな夏の話……